3月の主要ニュース概要
 
 
日・アラブ対話フォーラム日本側議長
 
 3月2日〜6日までエジプト・アラブ共和国アレクサンドリアにおいて第二回日本・アラブ対話フォーラムを開催した。因みに第一回は昨年9月東京にて橋本が総合議長を務めた。

 経緯はホームページ上の活動報告2003年版をご覧下さい。

 第二回メンバーは岡本行夫総理補佐官・須藤隆也国際問題研究所軍縮・不拡散研究センター所長、宮原賢次日本貿易会会長、山内昌之東京大学教授、エジプト側イスマイール・セラゲッディーン・アレクサンドリア図書館長他4名サウジアラビア側ゴザイビ経済企画大臣他5名が参加をした。 

 
題目
 「文化の対話」 「イラク問題」 「中東の経済社会開発」

 「文化の対話」では日本の経験をアラブ諸国に対し提言。日本は明治維新という近代国家への脱皮(政治的変革)と第二次世界大戦後の荒廃からの復興という二度の変革を経験しながらも現在のような目覚しい発展を遂げてきた。この背景には「近代化に向けて日本は日本人のもつ曖昧さにより西欧文化のおいしい部分のみを掻い摘みながら独自の文化をも見失わず「現代日本」を確立させて来た。また教育の重要性を指摘し、教育機関の発達と浸透が如何に大切かを示唆。明治維新以前の藩校や私塾そして寺子屋等の学習機関を紹介し近代化を支える土壌である高い教育水準の存在があり、また茶道・華道・音曲等稽古事の流行が大衆レベルの日本文化の浸透に貢献をした事を取り上げた。
(正式な内容は近日公開)

 「イラク問題」では阪神淡路大震災の復興経験をイラクに活かす事が出来る趣旨の発言を宮原日本貿易会が提案し、日本の技術協力としての「ライフライン・トレーニングセンター」構想を発表した。
(正式な内容は近日公開)

 「中東の経済社会開発」では「日・新(シンガポール)のFTA」及び「ものつくり(ものつくり大学含む)」についての政策関連資料を出席者に配布。また成功事例のみならず昨年10月の日・墨FTA交渉決裂の事例等も取り上げた。知的財産権・バイオ技術を応用した医薬品、食品等の扱いについても意見交換をした。
(正式な内容は近日公開)

 
 
日・埃(エジプト)医療協力(イラク人医師セミナー)
 3月5日・エジプト共和国カイロコンラッドホテル内にて
 
 イラク人医療関係者に対し日本とエジプトが最新医療についての研修プロジェクトをイラク復興に関する最初のプロジェクトとして始めた。この開講式に橋本も参加した。
 
 
 
第4回世界水フォーラムキックオフミーティング
 平成16年3月20日〜24日 メキシコ合衆国 メキシコシティーにて
 
 
 国連水の日でもある3月22日にメキシコ合衆国メキシコシティー大統領府(ロスピノス)において第四回世界水フォーラムキックオフミーティングが行われた。
 出席者はメキシコ合衆国大統領ヴィンセンテ・フォックス氏 第四回世界水フォーラム運営委員会会長 クリストバル・ハイメ氏 世界水会議会長 ウイリアム・コスグローブ氏 アブゼイド前会長(現エジプト水資源灌漑大臣)他 日本からは西村六善在メキシコ日本国大使・尾田栄章第三回世界水フォーラム事務局長他が出席し開催された。

 フォックス大統領との会談後、式典に出席した橋本は開会挨拶後ヴィンセンテ・フォックス大統領に第三回水フォーラムから第四回水フォーラムへの引継ぎの印となる瓢箪を手渡した。

 
 世界各国で水問題は深刻化している。メキシコ合衆国においてもこれは例外ではない。
メキシコは広大な国土を持ち、国内において降水量の差が大きい。石油産出国でも有り、化学製品(洗剤等)による地下水汚染に関する諸問題、そして国内供給の約44%もの水が配水途中に漏水している等、水に対する問題は多様である。国民(市民)の水への重要性の理解を浸透させ洪水的な水の使用方法を考え直さなくてはならない。
第一回世界水フォーラム(モロッコ)第二回世界水フォーラム(オランダ)第三回世界水フォーラム(日本)そして第四回がアメリカ大陸のメキシコ合衆国で2006年に行われることが決定し日本としてもメキシコの国民と一緒になって水問題の解決をしたい。今までの経験をメキシコに生かせるように全面的支援をすることを示唆。第四回世界水フォーラムで各国がもっている経験の交換が出来ればと考えている。また我々日本・第三回水フォーラム事務局はその努力を惜しまない。
 
 
国連「水と衛生に関する諮問委員会」議長に橋本就任
 
 以前アナン国連事務総長自身との電話会談において要請されていた水の賢人会議議長=「水と衛生に関する諮問委員会議長」の正式発表が国連水の日でもある3月22日に国連本部において発表された。メンバーは下記の通り。

議長
橋本龍太郎(元内閣総理大臣・第三回世界水フォーラム運営委員会会長)


メンバー
ムハマド・アブゼイド(エジプト水資源灌漑大臣)
ミッシェル・カムドシュ(対アフリカ・フランス大統領特使)
フアニタ・カスターニョ(コロンビア前外務副大臣)
ウスチ・エイド(ドイツ連邦共和国経済協力開発省副大臣)
アンヘル・グリア(メキシコ前財務大臣)
ロニー・カスリルス(南アフリカ水森林大臣)
オリビアラ・カスティヨ(フィリピン汚染防止円卓会議会長)
エリック・オダダ(ナイロビ大学地質学部長)
ジェラルド・パイエン(スエズ社上級副社長)
ジュディス・リース(ロンドン大学政治経済学院副学長)
クリスティン・トッド・ホイットマン(米国環境省前長官)
ピーター・ウォイケ(国際投資会社主席副社長)


 今後の予定は未定ではあるが国連事務局発表によるとメンバーは橋本を含め13名(上記記入)。構成メンバーは技術専門家・様々な著名人・ならびに人々に感銘を与え、政府機構を動かしメディヤや民間、市民社会に協働することに関し深い経験を有する人々とされている。
 水は貧困の撲滅と持続的可能な開発の達成において核となる課題であり、これらの問題に対しても打開策を議論する。
 
 
メキシコ合衆国ヴィンセンテ・フォックス大統領とバイ会談
 3月22日メキシコ大統領府(ロスピノスにて)
 
 
「日本・メキシコ経済連携強化のための協定」
 日本とのFTA(自由貿易)締結後初のメキシコ合衆国大統領とバイ会談。
 3月22日国連水の日に第四回水フォーラム出席のためロスピノス(大統領府)を訪れ  ヴィンセンテ・フォックス大統領と会談をした。
 第四回水フォーラム(2006年)がメキシコ衆国で開催されることに対しての意見交換と日・メキシコFTA(自由貿易協定)の締結後、日本の政治家として初めて大統領と直接話し合いをもち、この協定により経済のみならず、幅広い分野において二国間関係が一層強化されることへの期待を述べた。橋本は昨年10月にフォックス大統領訪日中に際し、日・メキシコ友好議員連盟会長として朝食会を開催し、その後約40分に及ぶバイ会談を行った。結果的には政府間交渉で農業分野の一部品目の物資において決裂し、在メキシコ日本企業等はメキシコ政府調達を取る事が出来ず総額20億円もの損失を出した経緯がある。FTAに関しては元々総理時代にNFTAの中に日本の突破口を作りたいと考え、その場合にまず必要になるのが、日・墨の自由貿易協定であるとの思いから、ここまで作業を進めてきていた。
 
 
■日本国際貿易促進協会創立50周年祝賀会出席 (3.24)
 
 3月24日メキシコ合衆国帰国後、都内ホテルに直行した橋本は、自身が会長を勤めている日本国際貿易促進協会(略して国貿促・以下国貿促とする)の創立50周年祝賀会に出席をした。直前の総会において会長職の継続を信任された橋本は祝賀会で先人の残してきたものを大切にし、過去を鏡として今後の国貿促の発展を祈願した。祝賀会には川口外務大臣・中華人民共和国武大偉大使も出席しお祝いの言葉を述べた。祝賀会数時間前に尖閣諸島の魚釣島においての不法上陸事件があっただけに多少の緊張を感じたが会自体は終始和やかなムードで行われた。
 
 
* 国貿促とは日中友好7団体の一つ。他に財団法人日中経済協会・日中友好議員連盟等がある。橋本は平成14年9月11日、故桜内元議長から会長職を拝命し第六代会長に就任をした。
主な活動としては毎年4月に協会所属企業参加者と供に訪中。中国国家指導者との意見交換・日本企業の対中投資拡大・現地視察・各政府関係者表敬等含め訪中する事になっている。また本年は「共同して日中経済協力を新段階へ」と題して基調講演を予定している。
 尚、昨年はSARSにより訪中を取りやめた経緯がある。

 
 
■国際寄生虫ワークショップ2004基調講演 
タイ王国 平成16年3月26〜28日
 
 27日午前中バンコク市内にあるサイアムシティーホテルにおいて国際寄生虫対策ワークショップ2004年に出席し基調講演をした。(講演内容は後日掲載予定)
 
 
一部紹介)
 日本の1000年前の文献にマラリヤは「瘧」(おこり)の名で書かれており、当時から日本でマラリヤが蔓延していた事例を紹介。 現在もマラリヤの罹患者数は年間5億人。うち200万人以上が死亡。土壌伝播線虫の罹患者数は未だ20億人以上いる。
 
 
 撲滅に辺り教育機関・衛生機関の発達の重要性を訴え、この二つが兼ね備われば必然的に経済発展を遂げられることができる事を示唆。

 今ワークショップをもってタイ王国に対する教育・技術提供は終了する。今後は対等な立場でアジア地域・そして世界の寄生虫撲滅にお互いの力を出し合い協力していく事を発表した

 
 
*今までの経緯はホームページ上2001年の活動報告国際寄生虫対策アジアセンター国際開講式講演をご覧下さい。
*橋本は平成14年7月にマヒドン大学より熱帯医学名誉学位を授与されている。
 またタイ王国からは海外の功労者を対象に寄贈される勲章の最高級、白像勲章をシリントン王女より授与されている。

 
 
■ガラヤ二王女殿下謁見 3.26
 
 タイ王国側参加者マヒドン大学ポンチャイ学長、ソンチャイ学部長他、日本側は在タイ王国日本大使館高田・大江両公使・石川外務省国際社会協力部長他が同席をした。橋本より殿下お気に入りの日本の焼き物(壺)を贈呈した。また殿下から寄生虫分野でのご質問を受け、この度のタイ王国訪問の趣旨をご説明した。
 また日本の過去のジュウ血キュウ虫撲滅経緯をご報告すると同時に事例として、日本はミヤイリ貝を媒体とするハマダラ蚊の繁殖を防ぐあまり繁殖地の河川をコンクリートで覆いミヤイリ貝の生息が出来ない環境を作りだし、ハマダラ蚊を撲滅させた。しかしその際に環境整備の配慮を考えないあまり、他生物まで生息できないようになった失敗事例を報告。開発途上国が日本と同じ二の鉄を踏まない為の技術・環境教育の必要性を強調。
 更に今現在北海道に生息するキタキツネにより感染するエキノコックスを紹介し、日本で唯一撲滅出来ていない寄生虫を紹介した。
 最後に、この度の「国際寄生虫ワークショップ2004」終了に伴い、日本はタイ王国に対しお教えできる全ての分野での教育機関プロジェクトを終了する。明日の会議が終われば日本そしてタイ王国が対等な立場で、世界の寄生虫撲滅に対しお互い協力をし、世界中の撲滅運動に力を注ぐ事をお伝えした。
 
 
* アジアはタイ王国マヒドン大学、アフリカ大陸ガーナの野口英雄記念研究所、ケニアケムリーに研究所がある。南アメリカ大陸での研究機関がないのが唯一の問題であるが、以前より声を大にして中南米各国に訴えてはいるが感心の薄さか?
 各国研究機関から手が挙らないのも寂しい限りである・・・・。

 
 
■第8回UNEP(国連環境計画)特別管理理事会/
  グローバル閣僚級フォーラム

  韓国済州島 国際会議場にて 3.28
 
 橋本龍太郎GLOBE Japan会長は3月28日(日)大韓民国済州島にて行われた第8回UNEP(国連環境計画)特別管理理事会/グローバル閣僚級フォーラムで水問題に関し挨拶をした。
 橋本会長は、日本が環境問題で過去に犯した過ちを紹介し、開発途上国に対し日本の轍を踏まないような政策をとるべきだと各国に訴え、今まで誰も達成できなかった持続的可能な開発の実現がGLOBE Japan会長としての願いだと語った。また、昨年3月に行われた第3回世界水フォーラムにおいて国内外の国会議員の参加を得て「水と国会議員」を開催しロー・メーカーとして如何に水問題に取り組むべきかを議論し、「水宣言」を採択した事を報告。
 更に期間中テプファーUNEP事務局長と会談し、アナン国連事務総長より国連水の日である3月22日議長に任命された「水と衛生に関する諮問委員会」の場においてアイデアとして「水宣言」中に書かれている「国連水憲章」採択について今後、国連の枠組み内で議論したい旨の思いを語った。
 
 
 
■高建大統領権限代行との会談 3.28
 
 第8回UNEP(国連環境計画)特別管理理事会/グローバル閣僚級フォーラムに出席中の橋本は開会中に韓国の高建大統領権限代行と会談を行った。
 
 
 2002年のサッカー・ワールドカップ共同開催を通じて日韓両国の相互理解、交流が進んだことに対する喜びの思いを双方語り、引き続き更なる交流を深めていく旨の意見で一致。

 また橋本より高建大統領権限代行の下で、国政が安定的に運営されている事への敬意を表した。話は六カ国協議・日韓首脳会談等様々な話が出る中で、大統領権限代行より過去の歴史問題について国民の感情が損なわれないように両国の政治指導者が努力する必要がある旨の発言があった。それに対し橋本は過去の責任問題を我々の子・孫の世代まで引きずるのは如何なものか?我々の世代で解決し、次世代まで持ち込まないようにするのが大切であるとの思いを語った。