2月の外交ニュース

 

@ 2月4日(土) デリー持続可能な開発サミット出席

橋本龍太郎は2月2日〜4日インドにて開催されたタタ・エネルギー研究所主催の「デリー持続可能な開発サミット」に出席し「日本そして世界の水問題」に焦点を当て、基調講演をした。冒頭「日本は水資源管理とそれに伴うインフラ整備が整っている事により、何とか水の需要と供給のバランスを保っている」と述べ、日本の水事情が決して豊かではない事を参加者に説明した。これは日本の利用可能な水資源量を人口で割ると先進国の中でも最低ランクであり、年間降水量が世界平均の2倍もあるにもかかわらず、1人当たりの水量は世界の平均のわずか4分の1しかない事を表現したものである。また橋本は現在、国連「水と衛生に関する諮問委員会」の議長を務め、本年3月メキシコで行われる第四回世界水フォーラムにも参加し日本側の最高責任者として手腕を振るう。

基調講演はWhat’s Newをご覧ください。

 

A マモハン・シン首相と会談

インド訪問中の橋本は非公式でマモハン・シン首相と昼食を取りながら会談をした。マモハン・シン首相とは大蔵大臣当時からの古き良き友人であり、1991年に、橋本の指導によりインドは対外債務危機を事前に察知し、回避することが出来た経緯がある。

B マルフォード駐インド・アメリカ大使と会談

訪印中の橋本は大蔵大臣当時のアメリカ財務次官のマルフォード氏とインドの金融政策や中国情勢について会談をした。

     

C 2月20日(月)〜21日(火)まで 国連「水と衛生に関する諮問委員会」第4回会合

橋本龍太郎は国連「水と衛生に関する諮問委員会」第4回会合に出席するために20日ドイツ連邦共和国ベルリンを訪問した。第4回諮問委員会より中国からワン・シェチュン中国水利部長、イタリアからジョルジョ・ジャコメリ大使の新たな委員二名が加わった。
第4回会合では「モニタリング」「水と災害」「統合水資源管理」について集中討議をし、これまでの国際会議での提言や、世界の動き、行動のための議論を行った。特に「水と災害」については、国際的な目標の設定するよう議論を深めることで合意をした。次回開催は第4回世界水フォーラムに併せて開催される予定。また第5回会合にて行動計画を発表する予定になっている。

 

国連「水と衛生に関する諮問委員会」第四回会合 (2006年2月20、21日)参加委員リスト

橋本龍太郎(議長) 元内閣総理大臣
ウッシー・アイト(副議長) ドイツ連邦経済協力開発省政務次官
ディビッド・ボーイズ 国際公務労連(PSI)公共事業担当
ミシェル・カムドシュ アフリカに関する仏首脳個人代表
フアニタ・カスターニョ 前コロンビア外務次官
マーガレット・キャトレイ・カールソン 世界水パートナーシップ総裁
アントニオ・ダ・コスタ・ミランダ・ネト 元ブラジル上下水道サービス協会代表
ジョセリン・ダウ 元女性環境開発機構総裁
ジョルジョ・ジャコメリ(新委員) ハイドロエイド総裁
ポール・ニールソン 前欧州連合開発・人道援助担当委員
オリビア・ラ・オ・カスティーリョ フィリピン公害予防円卓会議議長 (アジア太平洋低公害物製造円卓会議議長)
エリック・オダダ ナイロビ大学地質学部長
ジェラール・ペイヤン 前スエズ社上級副会長
ジュディス・リース ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス副学長
ヨルドン・ウズノフ 元ブルガリア環境副大臣
ピーター・ヴォイケ 前国際金融公社長官
(欠)マフムード・アブ・ザイド エジプト水資源灌漑大臣
(欠)アンヘル・グリア 前メキシコ大蔵大臣・元メキシコ外務大臣
(欠)ロニー・カスリルズ 南アフリカ情報大臣
(欠)ワン・シェチュン(新委員) 中共第16期中央委員、国務院水利部長
 

<国連「水と衛生に関する諮問委員会」>(今までの経緯)

  • 2004年3月22日の「世界水の日」にコフィ・アナン国連事務総長が、国連「水と衛生に関する諮問委員会」の設置を発表した。
  • 議長に橋本龍太郎を指名した。
  • 諮問委員会は、同国連事務総長により指名された水問題や資金、国際問題の有識者として、閣僚経験者、実務経験者、学識経験者、市民社会代表、NGO代表等20名の委員により構成するものである。
  • 第1回会合(2004年7月、ニューヨーク国連本部)
    −具体的な行動と発言を示し続けていくことを通じて、水と衛生に関する啓発を行っていくことに合意。
    −資金調達、統合水資源管理、水災害など10の優先課題を選定した。
  • 第2回会合(2004年12月、東京)
    −「コミットメント」、「動員」、「統合水資源管理とその他」について、作業部会毎に議論。
    −「統合水資源管理に関する提言」、「水災害による死者の数を2015年までに半減する」という緊急アピールついて議論し両提言について支持を得る。
  • 第3回会合(2005年11月、ローマ)
    −「公々連携」「衛生」「資金調達」のテーマに関し過去の国際会議の議論の動向、今後の諮問委員会の行動計画等について議論。
    −新しく国際水賞を設定すること、地方自治体を対象にすることで合意した。

<第4回会合の概要>

  • 今回の第4回会合から、中国からワン・シェチュン中国水利部長、イタリアからジョルジョ・ジャコメリ大使の新たな委員二名が加わった。
  • 第3回会合での議論の整理の確認
    第3回で集中討議した「公々連携」「資金調達」「衛生」について、諮問委員会の行動計画であるYour Action, Our Actionについて、再度議論し、合意。(この三つの意味・意義は先般ご説明したとおり)
  • 第4回会合での集中討議
    「モニタリング」「水と災害」「統合水資源管理」について集中討議をし、これまでの国際会議での提言や、世界の動き、行動のための議論を行った。
    特に「水と災害」については、国際的な目標の設定するよう議論を深めることで合意。
  • 次回第5回会合の議事予定の確認
    次回第5回会合は3月14−15日に、メキシコシティで開催予定。
    6つのサブテーマについて、3月16日からの第4回世界水フォーラム(於:メキシコ・シティー)で行動計画を発表することを念頭に、議論する予定。「モニタリング」「水と災害」「統合水資源管理」についてYour Action, Our Actionを採択予定。
  • 委員の具体的な活動
    地域開発銀行との連携促進など委員の自発的な行動について多くの委員から表明有り。