アジア・太平洋の日 挨拶
2006年3月21日(火)


日本水フォーラム会長
橋本 龍太郎


この度、第4回世界水フォーラムの「アジア・太平洋の日」において、日本水フォーラムの会長として、この発言の機会を得ましたことは、大変光栄であります。このアジア・太平洋の日にお集まり頂いた皆様に心より御礼を申し上げます。

第4回世界水フォーラムに向けたアジア・太平洋地域のコーディネーターとして、日本水フォーラムは、これまで準備活動の調整役を務めて参りました。アジア・太平洋地域を5つのサブ地域に分け、それぞれのサブ地域において過去の実績をモニターしながら議論を重ね、そして、昨年10月に、全てのサブ地域コーディネーターが東京に一堂に会し、議論を更に重ねました。

地理的に広範囲に分布し、かつ、世界人口の6割を有するアジア・太平洋地域は、多様性に富んでおり、水問題と一言に言っても多岐にわたります。しかしながら、こうした活動を通し、アジア・太平洋地域の多様性というものは、 地域が水問題解決に向けて取り組むための障壁ではなく、むしろ解決を後押しするものであると認識するようになりました。
一方で、この地域は多様性には富んでいるものの、地域全体に共通の水問題や、水に関連する課題も多く存在することも明らかになりました。

このような共通理解に基づき、この地域は、団結して水問題に取り組むことが重要であるとの共通認識を持つに至りました。我が国の皇太子殿下がフォーラム開会式でのご挨拶の中でも述べられたとおり、このような流れの中で、アジア・太平洋地域の水問題に取り組むための新しいネットワークとして、「アジア・太平洋水フォーラム」が提案されたことは、私にとっても望外の喜びでした。

 昨日、私たちは「アジア・太平洋水閣僚会合」を開催致しました。予想を遙かに上まわる160名の参加者を得、各国大臣や国連機関の方々から「アジア・太平洋水フォーラム」を設立することに対し、力強い賛同を頂きました。この「アジア・太平洋水フォーラム」は、アジア・太平洋地域からの参加だけでは成り立ちません。他の地域との協力によって、はじめてこの地域の問題、更には、世界の水問題解決に貢献できるのです。みなさまと経験や情報を共有し、協働して行動を起こしていきたいと思います。

  本日、ここに私たちは「アジア・太平洋水フォーラム」の設立を宣言致します。
ありがとうございました。