8月22日〜26日までAPFED4
(第4回アジア太平洋環境開発フォーラム)を終えて
エンフバヤル首相と APFED4にて挨拶をする
モンゴル国政府主催夕食会
左バルスボルド自然環境大臣・橋本・
エンフバヤル首相・久美子夫人
APFED4会議中

 8月22日(金)日本を出発、韓国仁川空港で乗り換えモンゴルのウランバートルに。23,24の両日、APFED−4(※第4回アジア太平洋環境開発フォーラム)がこの地で開催され、今回も私は議長を勤めさせていただきました。12ヶ国、3ヶ国際機関が参加したこの会議は、何時も真剣かつ和気藹々とした議論のはずむ面白い会議です。
 今回は主催国を代表して、最初からエンフバヤル首相が挨拶に立つという力の入れ方、私たちもそれだけ力が入ったと思います。井上靖さんの「蒼き狼」ではありませんが、モンゴルの大自然は今でも昔からの姿を留めています。 本当に美しい国で、高山地帯、タイガ地帯、森林ステップ、ゴビ砂漠地帯、砂漠地帯に分けられます。海抜1580m, 年間平均降水量220mm, もっとも暑い7月には+40℃、もっとも寒い1月には−40℃という厳しい自然環境ですから、自然再生力は当然弱くて遅く、脆弱です。
 1999年から2002年にかけてこの国を襲った旱魃は、牧畜に依存するこの国の国力を大きく損ないました。家畜頭数は33,000,000頭から23,000,000頭に激減、多くの人たちがモンゴルで初めて都市に流入し、過度の都市化をもたらしました。遊牧文明を有するモンゴルにとっては歴史上初めての出来事です。 会議の終了後、私たちはモンゴルの大自然を本当に堪能させていただきました。 エンフバヤル首相が私たち夫婦のために首相公邸で昼食会を開いてくださったのですが、その公邸自体、ウランバートル市のすぐ郊外ですが国立公園の一角にあり、モンゴル独特のゲルが建てられ、馬の群れが遊び、馬乳を搾ったり、子供たちが裸馬を走らせたり、およそ日本では考えられないスケールです。
 翌日はわざわざ伝統的なお祭りの小型版、ミニナーダムを開いてくださいましたが、この祭りはジンギスカンのころから変わらないモンゴル相撲、弓、競馬の間に音楽や踊りが行われます。野趣あふれる美しいものでしたが、同時に日本の相撲が本当に良く知られているのにも感動しました。日本の大相撲で活躍している朝青龍、旭鷲山などモンゴル出身の力士たちは本当に英雄です。
 一般の遊牧民のゲルも訪ねましたが、広い草原の一角にポツンと建っているゲルと馬の群れ、それに数倍する羊の群れがなんとものどかな眺めでした。
 バガバンディ大統領、エンフバヤル首相、トゥムルオチル国家大会議議長、エルデネチョローン外務大臣、バルスボルド自然環境大臣等とゆっくり話しをする機会がありましたが、これから先のモンゴルの産業として、観光立国を考えていますが、急増する観光客に対し、どう豊かな自然を守るかはこれからです。 日本の自然保護の失敗例などを話しながら、両国の専門家で十分相談をしようと約束して帰国しました。
 モンゴル訪問中に、子馬一頭と10歳くらいの馬2頭をもらいましたが、もって帰るわけにも行かず好意をありがたく受けながら現地にお預けして帰国した という、本当に長閑な旅でした。

APFEDメンバーと集合写真
首相公邸の庭にて昼食会 遊牧民の家・ゲル(中国語ではパオ)
遊牧民ゲル内にて歓迎の食事 贈呈された馬・名前はクミちゃん

バガバンディ大統領と98年以来の再開

ミニナーダム会場にて
現地伝統の弓を体験
トゥムルオチル国家大会議議長との会談
ミニナーダムでのモンゴル相撲優勝者へ
記念品贈呈
 
アジア太平洋環境開発フォーラム(APFED)とは

1992年のリオ・サミットで採択されたアジェンダ21に基づき、世界的に様々な取り組みが行われてきた。環境の悪化と貧困問題等に対処するためは、持続可能な新しい発展のモデルを模索し、世界の政策決定者などに幅広く提示し、アジア太平洋地域から新たな変革の流れを作り出すことが必要である。 2000年9月に北九州市で開催した「エコアジア2000」(環境省主催のアジア太平洋地域の非公式環境大臣会合)において、川口環境大臣がアジア太平洋有識者会議の設置を提案。賛同される。

その後、2001年10月に東京で開催されたエコアジア2001において、「アジア太平洋環境開発フォーラム」として正式に発足された。

目的
アジア太平洋地域に衡平で持続可能な発展モデルを提示することを目的とし、2002年9月に開催予定の南アフリカ・ヨハネスブルグ・サミット(持続可能な開発に関する世界サミット) に緊急提言するとともに、2004年に最終報告書をとりまとめる予定。

メンバーはアジア太平洋地域から21ヶ国、各1名。国際活動者2名。国際機関代表者1名。
フォーラム事務局。川口環境大臣(当面オブザーバーとして)


第一回会合 タイ王国・バンコク
第二回会合 インドネシア・ジャカルタ
第三回会合 中華人民共和国・桂林
第四回会合 モンゴル国・ウランバートル