閣僚級国際会合 フォーラムからの報告
第3回世界水フォーラム運営委員会
会長 橋本龍太郎

 この厳しい国際情勢、大変に厳しい国際情勢下にもかかわらず、第三回世界水フォーラムに世界百七十九カ国から二万三千人を超える多くの人達に参加いただき、私達にとって最も根源的な水問題について様々な観点から議論できたことは、主催者として大変誇りに思うところであります。

 国際紛争の萌芽は、貧困問題に潜んでおります。貧困問題の根底には水問題が大きく横たわっております。その水問題に私達はこの6日間、真正面から向き合ってきました。その成果が今皆さんのお手元に届いております。主要テーマと地方の日からのステートメントです。この内容をじっくりと検討され、是非とも閣僚宣言に反映していただきたいと願っております。

 さて、一昨日、アメリカ等によるイラクへの軍事行動が行われました。戦争は大変不幸な事態であり、こうした状況を望んではおりませんでしたが、大量破壊兵器の拡散を防ぐためにそれが現実となってしまった今日、我々は今後問題になってくるであろう難民及び国内避難民が夜露をしのぎ、水、衛生、食料にアクセスできるよう全力を尽くさねばなりません。又、イラク国内では電気が切れれば水の供給が止まるという問題が特に農村部及び北部で顕著です。
 また戦争によるイラク国土の荒廃、それによって生じる水関連施設の破壊、復旧問題に対し、この閣僚級国際会議においても、注意を払っていただければと考えております。

 この後、「水行動報告書」についてアブザイド世界水会議会長、「水と平和」についてゴルバチョフ・グリーンクロス・インタナショナル会長、「NGOの参加と活動」についてヒルダ・グレース・コエルホ農村研究・開発センター代表、「水施設に関する資金調達」についてカムデシュスIMF前専務理事から、その成果について順次報告致します。

 閣僚会議の議論が有意義なものとなり、行動に結びつく閣僚宣言が取りまとめられることを願い、私の挨拶といたします。