高齢化世界会議東京会合


2001年8月27日夕食会ご挨拶

橋本龍太郎元内閣総理大臣、日本側共同議長


 グローバル・エイジング・イニシアティブ委員の皆さん、そしてご列席の皆様、こんばんは。海外からお越しいただきました皆様の来日を、まず心から歓迎申し上げたいと思います。また、お忙しい中、こうして夕食会に参加をしていただきました皆様にも、心から厚くお礼を申し上げます。
 CSISが1999年から始められました高齢化世界会議(グローバル・エイジング・イニシアティブ)はワシントン、チューリッヒとすばらしい内容の会合を重ねて、いよいよ日米欧3極の最後に東京でしめくくりの会合を開催する運びになりました。共同議長として大変感慨深く思います。
 モンデールさんあるいはペールさんのようなすばらしい議長ができるかどうか、私はその中で一番若いので、非常に心配しています。しかし、幸いに私はワシントン、チューリッヒの両方の会合に出席をし、白熱した議論に私自身も参加させていただき、委員の皆様のお考えをつぶさに知ることもできました。明日、明後日の2日間のご議論を経て、明後日の夕方には記者会見を行い、政策提言を発表いたします。この政策提言の作成のために質問調査にご参加をいただきました委員の皆さん、その提案取りまとめにあたっていただいたCSISをはじめとした関係者の皆さんのご尽力、ご協力にもこの場を借りてお礼を申し上げます。
 CSISのこのプロジェクトが始まってから約2年が経過いたしました。しかし、高齢化問題はこのような短い期間で到底解決できるものではありません。私たちはこの問題を今後とも考えていかなければなりません。しかし、この間に86名もの世界の著名な方々がこの委員会に参加をしてくださり、熱心に討論していただいたことは大変意義深く、政策提言というかたちのメッセージは世界中に大きな反響を与えるものと確信をしております。
 今夜はどうぞゆったりとしたご気分でディナーを召し上がっていただき、明日から真剣なご議論をお願い申し上げたいと思います。また、ハムレさんから「70歳のエベレスト」という大変光栄な役割を与えていただきました。実は私は73年と88年のエベレスト隊の隊員であり、また1度は隊長であります。そして、70歳になったらもう一度エベレストの見えるところまで行きたいというのが、間違いなく私の夢でもあります。
 高齢化の続く日本として、健やかに老いるということが今一番大きな私たちの目標になっています。坂口厚生労働大臣の卓越した手腕によって、70歳に間違いなくエベレストに行ける日本であるようにしていただけることを固く信じて、お礼のご挨拶にいたします。今日は有難うございました。