「コーカサス3ヶ国展」 開催概要


コーカサス3ヶ国における産品の対日輸出促進および国情紹介のため、6月25日〜6月29日の5日間、赤坂ツインタワー本館2階において、「コーカサス3ヶ国展」が開催されています。
6月25日、日本側の主催者である日本貿易復興会(JETRO)による歓迎レセプションが行なわれました。




展示会を視察



コーカサス3カ国訪日ミッション 理事長主催歓迎レセプションにおける
橋本元総理ご挨拶


平成13年6月25日(月) 18:30 〜
於 : 東京全日空ホテル 鳳の間  






 アゼルバイジャン共和国、アルメニア共和国、ジョージア国、3カ国の外務大臣をはじめ、ここにお見えのお客様、本当によく日本をご訪問くださいました。心から感謝を申し上げます。主催者の畠山理事長はきちんと紙を読まれました。私も日本流に紙を作って持ってきたのですが、メナガリシビリ閣下が紙とは関わり無くスピーチをされましたので、私もお客様に習いたいと思います。新しい世紀の初めの年、そして3カ国の皆様にとっては独立10周年のこの年に、よく日本を訪問していただきました。これが、3カ国と日本との友情を一層大きくしていくだろうと、まず申し上げます。

 皆さんが独立された頃、私は日本の大蔵大臣として、旧ソ連の借金をいかに他の国々で背負うか、非常に厳しい交渉をしておりました。しかしその頃から、私には一つの不満がありました。アメリカの友人たち、あるいはヨーロッパの友人たちは、ややもするとユーラシア大陸というものを西からだけ眺めようとします。しかし私たち日本人は、シルクロードの、ユーラシア大陸の一番東の外れにある訳で、われわれはやはり東からユーラシア大陸を眺めたいという思いを持ち続けておりました。そして1997年に、私は「ユーラシア外交」ということを提唱し、東から眺めたシルクロード、そしてその中に位置するコーカサス諸国との友好というものを作りたい、と世の中に訴えました。何故なら、私たち日本人の中には、そのシルクロードを通じて培ってきたコーカサス諸国への、そしてその先の国々への憧れというものが長い間保ち続けられてきたからです。

 起源8世紀に日本に造られた一番最古の都、奈良という都に東大寺というお寺があり、そこに正倉院という宝物殿があります。そこには、その時代にシルクロードを伝わり、日本に渡ってきたギリシャ、ローマ、あるいはペルシャといった、さまざまな異国の品物が、その当時その品物を見て感動した日本人の心とともに、今も大切に収納されています。そして今日、もう一度私はその資料を調べ直してみましたが、アゼルバイジャン製、アルメニア製と思われる宝物を、幾つか発見することが出来ました。白瑠璃碗(はくるりのわん)、白瑠璃瓶(はくるりのへい)と名付けられたそれは、今、アゼルバイジャンやアルメニアでも発見されている古代のガラス器です。その完全なものが日本に残っています。大変申し訳無かったのは、一生懸命探したのですが、ジョージア製と特定できるものは見付からなかったのです。しかし、その時代から日本人は皆さんの地域、そしてその皆さんの地域を越えて運んでこられる物産に心を惹かれていました。今もそうです。そしてこの機会に、物産の面だけはなく、あるいは政治の面だけではなく、経済の面だけではなく、文化の世界も、芸術の世界も、スポーツの世界も、より大きな友情を育てていけるような交流がスタート出来ることを、私は心から願っております。

 畠山理事長をはじめ、ジェトロの皆さんが大変良い企画を具体化し、今日という日を設定をしてくれたことに、最後に感謝をし、今日のご挨拶にさせていただきます。

 ありがとうございました。