「第15回地球環境国際議員連盟」
2000年4月10日

  4月7日から9日まで、滋賀県の大津市で 、グローブ・インターナショナルの世界大会が開かれました。私もカウンシルのチェアマンとして参加しましたので、その概要を報告します。  

  今年は日本がG8サミットの議長国、ちょうどG8環境大臣会合が大津で開かれるのを機会に、同じ場所で同時並行で総会を行う事により、政府と議会の役割分担を考えたのですが、結果的にとても良かったと思います。  

  8日の夜には、G8の環境大臣達と夕食をかねて議論も出来ましたし、NGOの皆さんにグローブの会合に同席し、発言してもらう事も出来ました。  

  グローブ・インターナショナルというのは 世界中の環境問題に関心の有る議員だけで組織されている国際会議で、アメリカ、ヨーロッパ、日本、ロシア、南アフリカなどがメンバーです。ヨーロッパはグローブ・ヨーロッパとグローブ・EUと双方で参加しており一寸複雑ですが、今回はインドも参加してくれました。アメリカのゴア副大統領も上院議員時代は熱心なメンバー、第2代のインターナショナルの総裁でした。  

  地球温暖化対策について、京都議定書(私が総理の時、京都で主催したCOP3と言う会議の成果)を何時までに各国が批准するかが 大きな問題でしたが、私達の方は2002年までに批准するという決議をまとめましたが 、環境大臣会合のほうではアメリカとカナダが反対し、全会一致にはなりませんでした。  

  もう一つ厄介だったのは、アメリカが途上国に対し、資金協力をする場合、環境を条件にして圧力をかけようと言い出した事。  

  貿易に人権や労働基準、環境などを絡める事は途上国が一番いやがることで、日本はむしろ今まで貯えた知識と経験を途上国に移転することによって、私達が犯した失敗を途上国が経験しないで済むようにしようとしています。  

  アメリカ代表と遣り合いながら、何とかこれも押えきり、無事会議を終了する事が出来ました。日本のメンバーは各党にまたがっていますが、堂本参議院議員が現在インターナショナルの総裁でもあり、スタッフも含めて一致結束して頑張ったと思います。  

  会場が琵琶湖の傍でしたから、グローブでも、湖や河川の問題を取り上げる良い機会として、今回初めて淡水の問題も議論しましたが、滋賀県の皆さんが琵琶湖の水質について本当に真剣に考え、行動しておられるのは感激しました。  

  参加各国の議員達も口々に「今までで一番良い会議だった。日本側の準備も素晴らしかった」と言ってくれ、ホッとした思いで帰りの新幹線に乗りました。  

  沖縄でのG8首脳会合でも、環境の問題は大きな議論の対象の一つ、我々のまとめた結論が首脳会合に役立つ事を願っております。