日中医薬衛生新旧友人交歓会訪中を終えて


日中友好病院視察


日中医薬衛生界新旧友人会にて挨拶
ー北京飯店にて
 


呉儀国務委員との会談ー釣魚台にて


日中農業技術研究開発センターにて
 
10月30日から11月2日まで北京を訪問してきました。この秋になって3回目の中国訪問ですが、今回は日中医薬衛生界新旧友人交歓会、つまり両国の医学薬学の分野での日中交流フォーラムに参加することが目的でした。中国側の名誉団長を、私が厚生大臣当時、中国政府の衛生部長(日本の厚生大臣に相当)を務めておられた銭信忠博士が引き受けられたことから「日本側はお前」と言っていただいたわけです。銭信忠博士と二人で取り組んだ仕事は色々ありましたが、やはり二人にとって忘れがたいのは、なんと言っても日中友好病院の建設です。西洋医学と中国の伝統医学を平行して実施することによって、何か新しいものが生まれてくるのではないか、そんな期待もありました。今回久し振りに日中友好病院を訪問して、その評価が高いことに安心しましたし、日本語である程度通用することから在留邦人の皆さんにも頼りにしていただけているのを見て嬉しさも味わうことが出来ました。
久し振りに呉儀国務委員とゆっくり会談が出来たことも幸せでした。呉儀さんは通商産業大臣時代のカウンターパート、きびきびした仕事振りとさわやかな人柄で、間違いなしに好敵手でした。中国のWTO加盟に果たした彼女の役割は大きなものがあったと思います。
今回、日本、中国、韓国3ヶ国の女性企業家たちに講演する機会がありました。現実には、女性企業家にお話するつもりとは大分異なっており、地方自治体関係者が多く、慌てて原稿の一部に手を入れるなどの騒ぎもいたしましたが、「日中経済−貿易・市場変化の発展の方向」という与えられたテーマにそれなりに全力を傾けたつもりです。
もう一つ嬉しかったこと、それは「日中農業技術研究開発センター」を訪問することが出来たことです。このプロジェクトは、平成9年9月に総理として訪中した折、当時の李鵬総理との間で、農業分野で将来を見据えた新たな協力を開始することに合意したものがようやく実現したもの、現実に始まっている研究の方向、成果など日中両国の専門家から伺えたことは、矢張り嬉しいものでした。特に今、麦、中でも小麦の品種改良のため、遺伝子レベルの分析が行われ優良種を固定しようと大変な努力が払われています。その目的は、より美味しいパンを作るのに適した品種と、より美味しい中華麺を作るのに適した品種を固定することでした。「日本で一般的に食べられている中華麺と中国で食べられている中華麺とでは絶対に日本のほうが美味しいんです。日本は輸入小麦の中で、中華麺をより美味しく作れる小麦をきちんと輸入している、わが国はそんな外貨の使い方をしていない。結果として日本製の中華麺のほうが美味しいんです。」、中国の研究員の方の、半分力むような、半分口惜しそうな説明振りに、失礼とは思いながら、つい吹き出してしまいました。