環境と開発 メキシコより帰国


フォックス・メキシコ大統領と会談


フォーラムにてスピーチを
 
2月15日、成田を出発、メキシコシティで行われた、メキシコ政府と米州開発銀行共催のセミナー(「環境と開発 持続可能な開発に向けた統合的アプローチ」)に参加すべくメキシコを訪問して来ました。
私の役割は基調講演で、当時から今日の問題にいたるプロセスを概括することでした。そのスピーチは別に報告いたします。
ちょうどイラク制裁について国際社会が大きく議論の割れている時期、この問題についてのメキシコのフォックス大統領宛の小泉総理の親書を携えての旅となりました。
元々このセミナーは、6年前、私が総理大臣時代に、米州開銀(この後IDBと略します)のイグレシアス総裁との間で計画したものです。当時、中南米諸国の工業化が進む中で、かつて我々が経験したと同じような公害に直面している国々に対し、我々の経験を伝えることによって問題の発生を食い止められるのではないか?という思いから計画したものでした。
当初は一昨年10月に開催を予定していたものが、あの、9月11日のアメリカにおけるテロのため中止となり、その後、私が病気をしたこともあり、ここまで開催が伸びたものです。
メキシコのリチンゲル環境大臣始め中南米諸国の環境担当大臣たち、IDBのイグレシアス総裁、開会式にはメキシコのフォックス大統領も特別スピーチをされ、大変な熱気でした。
フォックス大統領とは旧知の間柄、イラン問題、日本とメキシコとの間に進みつつある自由貿易協定の問題など率直な話し合いが出来ました。
同様な話し合いはメキシコ国会の下院議員の中にあるメキシコ・日本友好議員連盟のスペシア会長をはじめ議員連盟の皆さん、下院外交委員会のメンバーとの間でも行うことが出来ました。
現在メキシコは国連安保理の非常任理事国です。ご承知のとおり、現在安保理は対イラク強硬派のアメリカやイギリス、慎重派のフランス、常任理事国の間でも大きく意見が割れています。どちらかと言えばメキシコは慎重派に分類されている国の一つです。その点では本来メキシコはアメリカときわめて近しい国ですが、中南米全体がこの問題では慎重な行動をしていることにもかかわりがあるでしょう。
議論をしているうちに気がついたのは、彼らの議論が極めて観念論で、例えばイラクが度重なる国連からの警告を無視してきたこと、あるいは国内のクルド人に対し大量破壊兵器を過去実際に使用したことが有ることなどは論議の中から抜け落ちていることでした。
同様、例えば北朝鮮の核開発の問題などさすがに大統領はご存知でしたが、議会の皆さんには私がお話した北朝鮮、たとえば拉致の問題など本当に初耳のようでした。
メキシコシティまではサンフランシスコ、あるいはロスアンジェルスで乗り継ぎしなければなりません。一昨年、あの同時多発テロの直後、やはりメキシコに行くため、ロスアンジェルスで乗り継ぎしました。そのときのロスアンジェルス空港は人影もなく、売店は殆ど閉まっており、いたるところに星条旗が掲げられ、警察官の姿ばかりが目立っていました。
今回はサンフランシスコ、ロスアンジェルスともに2時間くらいの待ち時間でしたが、それでも警察官の姿は目立ちましたし、手荷物の検査は猛烈に厳しく、爪切りはさみも持ち込みは許されません。ポケットに入れていた薬の裏側のアルミ箔に警報装置が反応し、ブザーが鳴り出したのには慌てました。
 


日墨友好議員連盟の方々の歓迎を受けて