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鬼百合(おにゆり):古事記にも聖書にも登場するのは百合だけ

古事記には次のような記述がある。
九州から大和に来た神武天皇は大和の娘「伊須気余理比売命(いすけよりひめのみこと)」に出会う。この娘の住居の近くには山百合草が咲き乱れていた。この百合のように美しい娘は神武天皇と結ばれ、皇后となられた。
この百合伝説に基づき、奈良県率川(いさがわ)神社では万葉の時代から三枝祭(さいくさのまつり)が続いている。現代でも6月17日、笹百合の花が奉納される。
この祭りは延喜式にもその規定があるほどに古式ゆかしいもの。

花の文化史によれば、ギリシャ神話ではゼウスの妃ヘラの乳が地上にこぼれたところから百合が生じた。ローマ神話では百合は女神ユノの聖花・希望の象徴・王位継承者のしるし。新約聖書マタイ伝第6章に述べられている「野の花がどうして育っているか・・・」の野の花とは百合をさしており、美しい花のシンボルとして書かれている。
百合は美しく、神聖な花としてキリスト教と深く結びついている。


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