カナディアン・ロッキーの懐は深く、自然にも恵まれている。「シートンの動物記」に読みふけった頃からの憧れの地だった。    
 夢がかない、初めてカメラ片手に足を踏み入れた86年の夏、白頭鷲や大鹿など生き物の姿を追い求め、散々歩き疲れた私の傍に、何処からともなく現れた蝶が、ふわりと羽を休めた一瞬。